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英雄伝説IV〜朱紅い雫 GAME REVIEW


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レビューを始めるにあたって、「英雄伝説VI 朱紅い雫」(※注1)が発売された頃の、ファルコム時代背景を紹介しよう。

Windows95からのリメイク時代以降(※注2)でこそ「イース」の名はファルコムゲームの代名詞とされているが、この時期のファルコムゲームにおける「イース」の名は、すでに過去のものに等しく、スーファミで出た「V〜失われた砂の都ケフィン」(1995年末)はランク圏外、キングレコードのゲームサントラやMIDI音楽集やイラスト素材集などでしか「イース」の名は登場しなかった。「イースといえばファルコム」、そして皮肉として使われてきた「イースはもう、いいっす」という言葉は、この時代においては既に実体感を伴わないものになっていた。
・・・そんな時代のファルコムを振り返ってみよう。

ファルコムは、PCゲームの移植が中心であったが「PC-ENGINE」、「スーパーファミコン」、「メガドライブ」の三機種でファルコム自らゲームを開発/発売していた時期があった。それも、いよいよ終わりを告げ、家庭用ゲーム機から撤退がハッキリとしたのも1996年である。ファルコムがWindows環境のみにプラットフォームを限定し、リメイク傾倒となっていくのは、「朱紅い雫」と「ブランディッシュVT」を出した後、ファルコム初のWindows95専用ソフト「ロードモナーク・オリジナル」(1996年末)以降であり、この時期まではPCゲーム/リニューアルパッケージ/マテリアルコレクション/MIDIコレクション/家庭用ゲームソフトがいくらかと、ファルコム歴史の中で見ても最もバリエーションに豊んだ布陣が敷かれていたのである。ファミコンショップとパソコンショップとファルコム通販を利用すれば、1990年から96年までの大抵のファルコムゲームが出揃った。
他社がWindows95環境へと移行していく中で、ファルコムは比較的遅い時期までNEC:PC-9801/21市場に居残り、ゲームをリリースし続けた。「英雄伝説IV」は二ヶ月連続にわたる雑誌売り上げ調査ランキング1位を獲得し、「ブランディッシュVT」もPC-9801/21の最後を飾るに相応しくランキング1位を獲得するなど、ファルコムゲームへの支持は、この時代にあっても不動のものであった。
しかし、1997年からのWindows95市場での”リメイクラッシュ”から、徐々にランキングも振るわなくなり、新作「Vantage Master」はランク1位を得るものの、それ以外のリメイクでは息が続かない・・・という悲惨な「結果」を遺すことに。”リメイクラッシュ”前半期は、PC-98末期からのファルコム史に暗く影を落とすことになったのだが、考え方によっては、そうした時代を経てきたからこそ、今のファルコムがあり、2005年現在も生き残っている、とも取ることが出来る。

国産PCゲーム業界における、事実上の”PC-9801/21の終焉”と”OSの移行”を前後して、多数の純国産PCソフトハウスが消滅/ゲーム部門からの撤退を余儀なくされたのである。日本ファルコムは、最後の純国産パソコン・ロールプレイングゲーム・ソフトハウスであることに間違いない。


「ガガーブトリロジー GAGHARV TRILOGY」と云う三部作構想の名が登場し始めたのは、Windows95用にリメイクされ発売された「新・英雄伝説III」(1999年4月)からである。本作品「英雄伝説IV 朱紅い雫」が発売されたのは1996年5月末であり、その頃は未だ「ガガーブトリロジー」企画は存在しなかった。(1996年末発売のアルバム・英雄伝説ピアノコレクションに”レオーネ・フレデリック・リヒター”の名があったことから、もしかしたら三部作構成の企画はあったのかもしれないが・・・。)この頃の僕は、PC-ENGINE・スーファミ・そしてPC-9801と、さまざまなハードから発売されるファルコムゲームをひたすら買い続けていた時期だったので、この「朱紅い雫」も大いに期待していた。コンバットアニメーション、束縛されない自由な育成、100を越すオープンシナリオの存在などがPCゲーム雑誌で報じられ、ストーリーも生き別れの妹を探す旅・・・ということで、「ハードな展開の英雄伝説」ということが予想できた。
この頃の僕は、「ドラゴンスレイヤー英雄伝説II」をPC-ENGIENで遊び(=いまだに未クリア状態にある)、「英雄伝説III」は、PC-9801版をプレイ(エンディング曲が「HEROES」のバージョンね)してきた。第四作「朱紅い雫」と第三作「白き魔女」とは、ガガーブという断層を隔てて隣り合わせの世界が舞台ということで、細かいディティールにも注目して遊んだものだ。

サウンド方面にも注目していた。上の「ファルコム時代背景」で登場する「ブランディッシュVT」と本作品は、ファルコムゲーム初のMIDI音源対応ソフトである。この二作品は、ローランドSC-55MK-IIというGS音源規格サウンドで作られているので、音がなかなかに良い。後のリメイク時代の作品は、標準規格「GM」のものが主流で、音も言うと悪いが、数打てば当たるの手抜きっぽく感じ取れた。(気合が入ったアレンジが施された「SC-55MK-II」「SC-88VL」「SC-88Pro」等の非互換拡張のものは、別途データディスクが必要になるものばかりだった。)この二作品のMIDIとFM音源のサウンドは、日本ファルコム最後の最高のクオリティを誇っていると僕は思うが、いかがなものだろうか?

サウンド方面は万全、これは、有る程度年季が入ったファルコムファンならば似たような答えを出すと思う。でも、肝心なのはゲームの感想だ。

「旧・IV」と「新・IV」は全くの別物、と言わしめるものは何なのか?しかし、両方のゲームをプレイした人間も今はずいぶん少ない。伝えることがレビューの役目。たとえ偏った感想でも、その時代の空気を残すことが出来れば、嬉しい限り。


ゲームシステムが、「本編」と「オープンシナリオ」とに分離されているのも注目点。アイディアとしては、後の「空の軌跡」に継承されている、ブレイサークエスト(※注3)のそれだ。
物語本筋と関係ないわき道に当たる120を越える「オープンシナリオ」(斡旋所から受ける依頼)と、メインストーリーを一緒に攻略していくとしたら、50時間はかかるのではないだろうか?実際に計ったことは無いが、依頼を受ければ受けるほど”行ったり来たり”が多くなるので、その分プレイ時間がかかる。しかし、オープンシナリオをこなさないことには、物語序盤ではデータセーブすら出来ないし、仲間も少ないので冒険者ライフが破綻する。どうしても、目的地以外の場所への行ったり来たり作業が多くなる。

ゲーム・システムレベルも高く設定されている。確実なレベルアップを行っていかないと、突然クリアー不可能に陥ることも少なくない。レベルを上げるにしても、パーティが敵を倒せば全員が経験値を得てレベルアップ・・・ではなくて、キャラ独立取得型となっているので、活躍したキャラには経験値が多いが、全く活躍できなかったキャラには1ポイントも入らない。経験値入手の最低条件が、アクションを成功させることであるので、攻撃にしても命中させなくてはレベルが上がらないのだ。装備を整えても、武器を振ったとしても外れる(=命中には技能値が重要)し、戦いたくても体力が低いのですぐ死んでしまう。弱いキャラは永遠に弱いままなのだ。ここで、パラメータ操作の技術を要求される。要は、弱いキャラを活躍させる「場」を無理やりにでも作らなくてはならないのだ。黒魔法主体キャラならば幾分楽なのだが・・・。(これは、高ダメージを期待できるのと、命中精度が高いためである。)
では、白魔法使いと精霊魔法使いのレベル上げはどうやるか、というと、白魔法は回復量が経験値につながるので、ひたすら回復できる「場」を作らなくてはならない。たとえば、大ダメージを受けやすい強い敵と戦うとか、わざと毒状態のままを維持して、回復を行うなどが、テクニックなのである。精霊魔法使いは、精霊を召喚し続けることで経験値を得ることが出来るので、レベル上げはカンタン。テクニックとしては、町とフィールドの切り替えを利用して、敵が出現したら召還して撤退、MPが尽きたら宿屋で回復、を繰り返せば時間はかかるがレベルは上がる。
ふう、、、。くたびれるな。さて次。

また、金銭面では、ゲーム序盤のハードルが高く、ダンジョン/フィールド上でセーブを行うにしても、全快アイテム「テント」が必要であり、それは100ロゼもする高価アイテムとしてただならぬ存在感を発揮し、冒険者の台所事情を苦しめる。一番最初の雑魚敵を約15〜20匹倒さないと、手が届かない。敵はアイテムの一切を落とさないし、ガガーブおなじみの換金レートは1Pisc=5Roseと低レートなのも、金欠冒険者を物語っているのである。

そのシビアーなバランスは、当初からもPCゲーム雑誌から注目されていたみたいで、「脱・初心者冒険者コラム」みたいなものを読んだ記憶がある。序盤から、有る程度の制約と労力を伴うシステム構成は、”英雄伝説シリーズ”の中では明らかに異端的存在。しかし、そうした制約からくる弱さと向かい合い、ゆっくりじっくりと自分好みにキャラクターを(パーティを)育成していく、”パソコンRPGっぽさ”を、「朱紅い雫」は間違いなく持っていたのである。そのパラメーターの自由さからくる”快感”は、ゲーム終盤になってもなんら変わることは無い。特定のショップのみで売られている高級装備アイテムの存在や、あちこちのダンジョンで強敵が守る強力な装備の数々。そうした武具によるパラメータ変化が見逃せなくなると、このゲームが面白くなってくるのである。

数え切れない成長パターンが存在するキャラクター・メイキング、自由なパーティセレクト、装備品の自由。「朱紅い雫」は、戦闘システムにおいて、自由度が高い。(戦いの中でやっていることは、なんてことはない、単純な消耗戦タクティカル・バトルなのにね・・・)
弱いからこそ、愛情をこめて育てたい、とか、超攻撃的な主人公を目指したりとか、プレイ・スタイルの自由度は、ファルコムから発売されているコマンド入力タイプのRPGでは他に類を見ないものがある。このゲームのコンセプトをそのままを継承しろ!とは言わないが、そうしたプレイユーザーへの「遊び」を与える部分は、画一の装備と最強レベルに鍛えるだけでクリアーが可能となってしまった、今のファルコムのコマンド型RPGが、ぜひとも見習ってほしいところなのである。



たしかに「レベル上げ作業」は作業行為なのだが、面白みと見返りとちょっとしたスパイスがあるからこそ、プレイヤーはそれに没頭するのである。


シナリオは、Windows95で復活した「新・英雄伝説IV 朱紅い雫」の方が(プレイ人口が多いので)ファンの中では有名であるが、こちらも負けずと強烈な台詞のオンパレード。とにかく、熱くて、心に残るものが多かった。特に、(Windows版では単なる便利キャラである)マドラムの描写が素晴らしく、「彼とアヴィンが似ている」というミッシェルの言葉が、二つの神の間に翻弄される人間たちを代弁しており、とても印象深いものであった。正神殿の人間を10人殺せば、死の呪いをかけられた恋人の命を取り戻すことが出来る。心では罪の意識に震えながらも、無慈悲な暗殺者として殺人を繰り返してきたマドラム。印象的なシーンを紹介しよう。

「お前は正神殿の者だな。」

「だったらどうした! アイメルの恨み、今ここで晴らしてやるぜ!」

「冷静になるんだ。彼の中に強い殺気と共に、底知れない悲しみを感じる。」

「悲しみなら、俺だって・・・負けやしない。お前はあの時も、アイメルに正神殿の者かと聞いたな。」

「あの娘は、そうだと答えた。だから、斬ったのだ。」

「皆、勘違いしているのさ。」
「俺達はガキの頃から正神殿に引き取られて育った。だから、アイメルは自分が正神殿の者だと思い込んでいただけなんだ。」
「ルティスだってそうだ。」
「彼女はオクトゥム神を崇めてはいたが、ボルゲイドの野望が真理を離れた所にあると気付き、本当の自分を取り戻したんだ。」

「俺は暗殺者だ。依頼があれば理由などいらん。」

「みんな勝手な理屈を振り回して・・・。バルドゥスもオクトゥムも俺には関係ない!」

「きれいごとは言っても、人には正義を捨て、悲しみを越えなければならない時もあるのだ。」

「それこそが神々の争いが招いた大地の掟だ。」


「バルドゥスもオクトゥムも俺には関係ない!」

(ミッシェル:何故だろう・・・。マドラムの悲しみの想念が気に掛かる。あの男とは戦うなと直感が騒ぐ。)
     いさか
「神々の諍いに、巻き込まれてたまるかーっ!」

二度目の対決。回避できない戦い。

「ドミニクにかけられた呪いは、この俺が正神殿の人間を10人殺せば消え、生き返るというものだ。」
「今までに、お前の妹アイメルを含めて9人をこの手にかけた。」
「あと一人・・・あと一人でドミニクは生き返る。」

「やめるのだ、マドラム! お前たちが戦ってどうする?」
「ボルゲイドの罠に踊らされているのが分からんのか?」

「師よ。わかっています。しかし、俺にはドミニクが全てなのだ。」
「アヴィン、その首で10人目だ。」

「マドラム、戦いが何を生み出す。お前の死体がひとつ増えただけじゃないか!」

「師よ。やはり非情の暗殺者となっても 俺の心は・・・いつも罪の意識に震えていた。」
「たとえ・・・どんな理由があったにしろ、これまでの殺生は・・・許されるものではない。」


こうした描写は、ガガーブ版「朱紅い雫」ではカットされてしまっています。

また、ミッシェルの言葉である、絶望のふちに沈むアヴィンへの新たなる動機付けとなった言葉もカットされています。

「この世に偶然は無いと思います。関わったからには、何者かの意思が働いていると思うのです。それが神とは言いませんが・・・。」
「しかし、あなたにルティスさんの呪いを解くことが出来る可能性があるのなら、あなたは真実の島へ行った方がいい。」
「誰かを助けられる可能性を持っていながら自分の悲しみに暮れているのは、もっと、悲しいことだとは思いませんか?」


このミッシェルの言葉は、ガガーブトリロジーではなく、「朱紅い雫」(あかいしずく)という意味深なコトバが示す、人間が持つ情熱というテーマへの訴えかけのようにも思えます。ドラマCDシリーズ「一章:運命への旅立ち」「二章:誰がための祈り」「三章:黄昏の大地」でこうした台詞が熱演されます。自分はドラマCDはあまり好きになれない派でしたが、「朱紅い雫」シリーズはぐっと来るものがありました。

物語終盤、死んだ人間と再開する(隠し)イベントがあります。ドラマCDにはしっかり収録されていますが、ガガーブ版・朱紅い雫では、物語の大幅変更によってその存在そのものが抹消されてしまいました。

アヴィン:

「ドゥルガーは戻っていないようだな。以前来たとき、ここでドゥルガー神に会った。」
「四精霊の様子を見に行くと言い、ドゥルガー神はここから飛び出した。」

ルティス:

「はっ・・・?」

アヴィン:

「四精霊・・・?」

イドゥン:

「ドゥルガーはいない・・・」

ネフティス:

「我々がここに来たときからいなかった・・・」

ザール:

「お前には神宝を託した・・・」

スコティア:

「覗いてみるがいい・・・」

イドゥン:

「我ら冥界を司る精霊の力で・・・」

 

 

イドゥン:

「ここは地上と冥界との境界・・・」

ネフティス:

「お前の心に呼び出された魂がここに集う・・・」

スコティア:

「死した者のさまよう霊窟・・・」

ザール:

「お前が生きている理由がここにある・・・」

 

 

アヴィン:

「あ・・・ああ・・・」

ルティス:

「アヴィン! どうしたの・・・?!」

アヴィン:

「見えないのか?」

ルティス:

「私には、何も・・・。」

アヴィン:

「邪宗教徒に殺された・・・親父と・・・おふくろが・・・そこに・・・。」

ルティス:

「ご両親はオクトゥム信徒に殺されたの?」

アヴィン:

「ずっと昔のことだ。 俺たちは開拓民だった。」
「カテドラールの近くを開拓していた俺たちのキャンプを邪宗教徒が襲ったんだ。」

ルティス:

「・・・・・・。」

アヴィン:

「皆殺しさ。 俺は親父とおふくろに言われて、まだ、赤ん坊だったアイメルを抱いて必死に逃げた。」
「奇跡的に逃げおおして、俺たちはカテドラールに拾われた。」

 

 

ルティス:

「バスター・・・!?」

アヴィン:

「・・・俺には見えない。」

バスター:

「・・・真っ暗だ・・・何も見えねぇ・・・。 ここは・・・どこだ・・・? オレが何したってんだ・・・。」
「いつだって・・・ボルゲイドの奴が喜ぶように・・・して、やったじゃ・・・ねえか・・・。」

ルティス:

「バスター・・・お前・・・。」

 

 

アヴィン:

「・・・じいさん。」

レミュラス:

「どんな者にも、生まれて来たからにはそれだけの理由がある。」
「それを使命と呼ぶ者もいれば、運命と呼ぶ者もおる。 だが、気にするな。悩み苦しむことはない。」
「このワシでさえ、人知れずネフティスの祠を見守ってきた。」
「なあに、たいしたことはない。」
「なるようにしか、ならん。」

アヴィン:

「じいさん・・・。」

 

 

アヴィン:

「・・・最高導師様。」

ルティス:

「最高導師様? ヴァルクドのクロワール様じゃないの?」

アヴィン:

「いや、カテドラールが襲撃されたときに亡くなられた最高導師エスペリウス様だ。」

エスペリウス:

「バルドゥスの御魂は、霊力を持つ古代金属レアメタルにしか宿らない。」
「力を宿らせるレアメタルの剣を忘れるな。」
「四精霊より神宝を託されたのならば・・・古代金属の剣を手に入れてカテドラールへ来い。」
「わしはそこで待っておる。」

アヴィン:

「レアメタルの剣・・・。」

 

 

マドラム:

「生きていることを呪うがいい。」

アヴィン:

「マドラム!」

マドラム:

「嘆くがいい。」

アヴィン:

「・・・・・・。」

マドラム:

「しかし・・・生きていることは素晴らしい。」
「だからこそ・・・生きている者が果たさねばならぬ事がある。」

アヴィン:

「・・・・・・。」

 

 

アヴィン:

「あっ・・・アイメル・・・!?」
「アイメル!!」

アイメル:

「お兄ちゃん・・・」

アヴィン:

「ここにいるぞ、アイメル!」
「アイメル・・・アイメルーっ!!」
「・・・・・・。」

 

 

ネフティス:

「人の想いは残る・・・ 今、目にしたのは死者たちの願いだ・・・」

アヴィン:

「・・・・・・。」

スコティア:

「お前たちが我々の祠へ来る前・・・」

ザール:

「ドゥルガーは我々の様子を見にきた・・・」

イドゥン:

「そして我々にかけられた呪いを ドゥルガーは少しずつ自らの体に吸収した・・・」

ネフティス:

「完全に我々の魂が魔獣化しなかったのはそのせいなのだ・・・」

スコティア:

「ドゥルガーは身代わりになり、呪いに犯され、さまよっているのだ・・・」

アヴィン:

「ドゥルガーがさまよっている・・・?」

イドゥン:

「お前に託されたのは、6つに分かれたバルドゥスの御魂だけではない・・・」

ネフティス:

「我々の本当の加護は別にある・・・」

スコティア:

「しかし、その託したる力を得るには・・・」

ザール:

「ドゥルガーの裁定が必要なのだ・・・」

アヴィン:

「その力とは?」

イドゥン:

「・・・願う力・・・」

スコティア:

「お前がドゥルガーの裁定を受けるとき、冥府門は開かれるだろう・・・」

アヴィン:

「冥府門・・・?」

ガガーブ「IV」が、「朱紅い雫」というテーマをどう、描きたかったかは不明です。「人間の情熱」の部分が大幅に削られた、という印象を僕は持ちます。ガガーブ版としてのシナリオは、単純に、「ガガーブトリロジー」のなかの「朱紅い雫」という最初の歴史ですし、物語の終着点が(本作では触る程度であるものの)結局のところ、「白き魔女」のラストへと間接的なつながりを持っているというのが終盤で語られてしまうため、ストーリー的にグッと来る部分が少なかったのです。


※注1
「英雄伝説IV 朱紅い雫」
当サイトでは、PC-9801/21シリーズのものを「原作版」、Windows95で発売された「英雄伝説IV 朱紅い雫」を「ガガーブ版」もしくは「新・英雄伝説IV」と記すことが多い。明らかに別物としてラインを引いているのである。

※注2
「リメイク時代」
自社のソフトの復刻。(その時代にあった)最新のハードで遊べるよう改良を施し発売することを「リメイク」「リニューアル」と呼ぶ。当サイトでは、re-makeとre-new-alの明確な区分わけはしていない。そうした、過去の遺産の復刻ソフトが主力となった時代を「リメイク時代」と呼んでいる。これも、人によってまちまちであるが、1994年の「英雄伝説III リニューアル」と、1995「リバイバル・ザナドゥ」を皮切りとし、2003年ごろまで続いた。
その長い時代を経た結果、リメイクから思いもよらぬラッキーというか副生産物が生まれた。それこそが、「イースI・II」の再評価からシリーズ復活を果たしたことや、一方では、「後期英雄伝説」のファルコム・スタンダード化がおこり、ファルコムの主力ゲームタイトルが決定したことなのである。

注3
ブレイサークエスト
「空の軌跡」の世界感を代返するもので、組合からの依頼ごとを請け負うことで発生するクエストのこと。任意と強制クエストがある。「空の軌跡」は、メインシナリオまでもが「ブレイサークエスト」なのである。「朱紅い雫」からのシステム発展としては、期間限定がよりシビアーになったことや、複数クエストの請負が可能になったことなど。「空の軌跡」でのすばらしい点は、「ブレイサークエスト」をお使いイベントで終わらせることなく、きちんと本編に組み込んでいる所で、それが、「朱紅い雫」からの最大の発展系と言わんとするところなのだ。