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西風の狂詩曲
THE RHAPSODY OF ZEPHYR


ゲームをプレイしての感想
 




まず、感想を書く上において、このゲームは「韓国産のゲーム」である事を忘れてはならない。
ファルコムがゲーム全てを作成したわけではないのだ。
Falcomゲームサイトとして批評すべき点は、”オリジナルの出来”だけではないのです。
それでは、お決まりの文章と行ってみましょうか。
 


!!DANGER!!
ここから下の感想にはかなり、ネタバレが入っています。未プレイの方はご用心してください。


「西風の狂詩曲」は韓国のRPGゲームシリーズ「ジェネシス」の流れをくむ外伝的作品にあたる。
以前のパソコンゲーム雑誌で、韓国産のゲーム「アンタリア創世記」なるゲームが紹介されたが、よーく思い出してみると、その時に登場していた主人公「イオリーン」はまだ若い女性だったのだ。(ちなみに西風ではおばあちゃんになっています)


ストーリーなどについて

ストーリーもシリーズ物となっているせいか、「西風の狂詩曲」ひとつでは完全に説明力不足である。
(ファルコムのガガーブシリーズなどは、同じ時代背景にありながらも、ひと作品のみでもじゅうぶんに楽しめる、しっかりとしたバックボーン作りが成されている。そのあたりがファルコムのよい点の一つなのだが。)
意味不明な単語が次々と出てくるし、説明書に書かれてある設定まで詳しく読まなくてはストーリーの流れが見えてこないのだ。

「お前は、破滅のユスタシア!」  「黒太子の用いた魔装機・・・」

とか言われても、なんのこっちゃさっぱり。「あなたはだあれ?誰でしょね。」って感じです。
ゲーム中に、シリーズ他作品からの伏線を消化するようなセリフが数多く存在しています。韓国版では、この作品は(ガガーブと同じように)単作品ではストーリーを完結することが出来ないものなんだそうです。となるとやはり、他の数作品をプレイしてこそ初めて、シリーズ全体のイメージを掴める物だと思います。

エンディングのオチも、あまりに安直すぎて府抜けてしまった。
他にも、準主役レベルのメディチの性格の変貌ぶりには驚かされた。思えばエステ=ドーテにかどわかされてから、メディチは少しづつ変わっていくんだよなあ。哀れなメディチの最後はというと・・・
シラノの恋人を一太刀のもとに切り捨てる行為に、シラノの怒りを買ってしまい、複数人から徹底的にいたぶられて、相棒・リデルと共に粛清される運命を辿るのだ。(嗚呼、無念なり。)



このように、理不尽なストーリー展開はここでは全て紹介できないほど沢山あります。オリジナルストーリーからの翻訳、そして、大幅なシナリオ変更をファルコムは行ったそうですが、ここまで滅亡的に崩れているストーリーを修正するのには、骨が折れた事でしょう。(制作期間に一年かかった理由もうなずけるもんだ。)


ゲーム性

基本的に、ストーリーの道筋に沿って歩くタイプのゲームなのですが、同社ファルコムのそれらのゲームと比べてみてもわかるように、「自由度」が比べ物にならないくらい高い事がわかります。自由に探索できるダンジョンが多かったり(ナイトメアの洞窟は、永久ループ付き)、ストーリーに全く関わらないサブシナリオや、複数の町をまたがって続くイベントなど。その数は実に豊富で、「謎さがし」を行う楽しみをえる事が出来ます。
フリーイベントと比例しアイテムの数も多く、戦闘を盛り上げている。



ストーリーに破綻をきたしていると書いたがそれ以外にも、操作性の悪さがゲームバランスに大きく絡んできていると思います。マウス(キーボード)による操作性の悪さ、今までファルコムが発売したゲームの中でワースト1位にランキングされたことでしょう。マウスでポイント指定すると、そこへ歩き出す主人公。イマイチ扱いにくかった。


総評として、まとめます。

家庭用でもじゅうぶん通用するグラフィックは確かにきれいだ。しかし、肝心のストーリーや、意味の無いループイベント群がそれを台無しにしてしまっている。(物語にそれほどこだわりを持たないのならば、気にはならないと思うレベルでは有るのですが・・・。)同社ファルコムの白き魔女などに代表されるストーリーを徹底したゲームと比べるとどうしても、耐えられる代物ではなかったのです。どちらのゲームが優れているは無しにして、良い点も有れば悪い点も有ったと。



「ファルコムが出したゲームだから購入した」

日本のPCゲーム市場は、ブランドに固執するタイプとそれ以外のタイプに分類されると考えている。ファルコムゲームの購入層は、固定客が殆どを占めているのが実態。これはファンである私から見ても嬉しくない事だが、逆に韓国のゲームに触れる機会を得ることが出来たので感謝している。


個人的なゲーム評価

ストーリー
STORY
★★★★★☆☆☆☆☆ :050
”シリーズ物の番外編”で、緻密な世界観作りがされている。全ての要素を理解するのはこのゲームだけでは不可能。
サウンド
SOUND
★★★★★★☆☆☆☆ :060 
効果音やゲームサウンドはFalcomより遥かにリアルで迫力が有る。
グラフィック
GRAPHICS
★★★★★★★★★☆ :090
綺麗。チップセットの連結型なのだが、大きいサイズなので見栄えが良い。グラフィックには文句無し。
操作性
DEVICE
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ :010
マウス(&キーボード併用)なのだが、操作性は最悪クラス。キーボードを使わないと厳しいと思う。
自由度
FREESCINARIO
★★★★★★★★★☆ :090
本筋と関係無いダンジョン、マルチエンディング、行動できる範囲が広い、等から考えるとこの点が妥当かと。
総合評価
TOTAL
★★★★★★★☆☆☆ :070
操作性と一部の意味不明なストーリー展開を除けば、あとは優秀ゲームのレベル。


個人的私見
Falcomファンにも、そうでないユーザーにもお勧めできるゲームなのではないでしょうか。
個人的に、これより一月後にリリースされた”海の檻歌”の方が高く評価されていたのはちょっと辛いところだが、”Falcomファンのみ限定”の檻歌と、”広いユーザーにアピールできる”西風とでは評価の対照が違う。
ゲームの評価は、ストーリーで分かりにくい点とポイント指定の不自由な操作性以外は高く評価できる。
戦闘では、ボスバトルは遠距離魔法の繰り返しで倒せる、という点に対して、少し作りこみをして欲しいと思ったぐらいですね。