Website Top

英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Toppage

英雄伝説 空の軌跡 the 3rd


ゲームの概要

≪ゲーム概要≫

2004年に発売された「英雄伝説VI 空の軌跡」(普及版パッケージ以降、うしろにFCが付いて、ナンバリングの6が取れ、英雄伝説 空の軌跡FCと呼び方が変更された。)、そして、完結編として発売された「英雄伝説 空の軌跡SC」。本作は、英雄伝説シリーズが世界観・システムなどを一新し、新たな英雄伝説として展開された「空の軌跡」シリーズの第三作目、となる。
完結編と銘打ったはずの「空の軌跡SC」(セカンドチャプター、つまりは第二章)なのに、「the 3rd」として続くのには疑問が残るが、前二作が完結、というのは、ヨシュアとエステルを取り巻く物語が完結した、という点で符合が一致するかと思う。物語・世界観はそのまま踏襲され、ストーリーも「空の軌跡SC」終了後となっている。

空の軌跡 the 3rdの特徴は主に、キャラクター単位でのサブ・ストーリーの補強や、(あのキャラのああいったシーンが見たい、とか、あのキャラとあのキャラのパーティで戦いたいとか、そういったキャラクター単位での要望・意見が、ネット上で多かった。こういった現象は、今までのファルコムゲームでは在り得ず、ゲームキャラの人気の高さを改めて思い知らされる。)本編ではありえなかったキャラクターたちでパーティを組んで戦闘を行うことが出来るようになっている、点である。いわば、空の軌跡本編から離れた番外編、ショートストーリー集・・・・・アダルトゲームでは昔から一つのジャンルとして定着している「ファンディスク」に近いものが有るようだ。

また、ゲームのセーブデータの引継ぎも可能となっている。セーブデータは、こちらからどうぞ。)「空の軌跡SC」ゲームクリアー段階でのセーブデータであり、ニューゲームを選択した際、引き継ぐかどうかをたずねてくるので、「YES」を選択することで、引継ぎを行うことが出来る。セーブデータの置き場所とかは、マニュアルを読んでください。

 

初回特典、通販限定特典

≪初回特典、通販限定特典


初回限定版特典
英雄伝説 空の軌跡 the 3rd ビジュアル設定資料集

オールカラー144ページの設定資料集。主要登場人物の全身図やラフスケッチなど、「空の軌跡」初回限定版・定番の特典である。
オリジナルサウンドトラック・ミニ 英雄伝説 空の軌跡 the 3rd
予約特典
Original Sound Track・ミニ 英雄伝説 空の軌跡 the 3rd

ファルコム通販で予約した場合、ゲーム本体と一緒に封入される。また、一部の店舗やウェブショップでも、ゲーム購入時に一緒にもらえる特典であったため、ファルコム通販専用特典、というわけではない。今回は、恒例のファルコム通販限定特典、通称「ファルコム通販の”アレ”」という形であるが、他流通との共通の特典であった。

 

封入物およびゲームの仕様

≪封入物、及びゲーム仕様≫

ハード:

Windows Vista/XP/Me/2000/98 日本語版専用

発売日:

2007年6月28日

価格:

7,980円(ファルコム通販、送料、税込み)

型番:

NW10107580 

特典:

ビジュアル設定資料集
オリジナルサントラ・ミニ(公式サイト、店頭など)


OS: Windows Vista/XP/Me/2000/98 日本語版専用
CPU: PentiumIII/800MHz以上(Pentium4/1.3GHz以上推奨)
HDD空き容量: 3.7GB
メモリ: [Vista]1GB以上、[XP/2000]384MB以上、[Me/98]256MB以上
ディスプレイ: 解像度640x480以上、HighColor(65,536色)以上表示可能なもの。
VRAM32MB以上(64MB以上推奨)で、DirectX8.1以降に対応した3Dアクセラレータ(AGP及びPCI-Express接続、チップセットではIntel社製845G以降を推奨)
サウンド: DirectX8.1以降に対応したサウンド機能
メディア: DVD-ROM1枚、要DVD-ROM対応ドライブ
3Dアクセラレータは、nVIDIA社製GeForce2以降、及びAMD(ATI)社製RADEONシリーズを推奨します。
本製品はDirectX8.1を使用しています。旧バージョンのDirectXでは動作しませんので、DirectX8.1 以降をインストールしてプレイしてください。
操作はマウス、キーボード及びゲームパッドに対応しています。

 

ゲームレビュー

≪ゲームレビュー≫

レビューのテーマは、ファンの視点から見た「空の軌跡 3rd」と、こういうゲームだと考えた上で見る「空の軌跡 3rd」。
ファンはどういったものを期待していたのか。

気になった点を。
ファンディスクって?
キャラクタの魅力はどうか?
「空の軌跡」四作目へのつながりについて、とか。
僕自身、「空の軌跡」ゲームはあまりやりこんでいない。
風呂敷の広がり方に危険を感じないかどうか。

PC-98x1環境からWindows環境への移行(並行し、次世代機の台頭でファルコム家庭用路線の終焉)混沌期からはじまり、約七年続いたリメイク路線。七年もの間を経て、ファルコム界隈は新たな展開を迎えることになった。Windowsのリメイク路線時代に両手の指の数では足りないほどの、数多の旧作品がリメイクされ発売されたが、その中でも好評だったのが、「イース」シリーズと「英雄伝説」シリーズ(=ガガーブ三部作)であった。そんな中、「イース」は3D化を行い、新たな客層をつかむが、もう片方の「英雄伝説」シリーズは、世界観の一新とシリーズタイトル以外はまったくの関連性は無いものとして展開する。それが、「空の軌跡」で、2004年「1st」、2006年「2nd」と重ね、「空の軌跡」は「英雄伝説」シリーズというよりも、「空の軌跡」という連続作品として認知されるようになった。

ファルコムの顔として認知されるようになった「空の軌跡」シリーズ。もともとの「英雄伝説」シリーズ第六作、の中で「1st」「2nd」「3rd」と三作品がフル・プライスのタイトルとして発売され、自社移植によるPSP版も存在する。このシリーズの展開のおかげで、ファルコムゲームの購入層に若手ユーザーがどっと流れ込み、よい意味でも悪い意味とも両方取れる「プレイユーザーの世代交代」がより確かなものとなった。それは、ファルコムゲームの「ファルコムゲームっぽさ」の転換ともリンクしており、求めるゲーム性や方向ががらりと異なるのが端的となった。これまでとは違った世代の流れが押し寄せてきている。明確な境は無いが、ファルコムが株式上場を行った後の2003年、3D化された「イースVI」あたりを基点とし、作品の質にハズレが無く、良作ぞろいだった数年間に新たな世代を多く取り込んだ、僕はそう思う。

しかし、はずれはないが、すべてが続編もので、なおかつ、さほどの進歩が見られないため、2004年の「ぐるみん」のような挑戦的な作品は皆無といってもいい。
今は、イース/空の軌跡と交互に展開し、その途中に新作や海外移植又は自社移植をはさむというスタイルが確立されている。確かに儲けが取れる安定路線といえようが、少しばかりチャレンジしてほしいと、いうわけだ。

イースでは、難解なゲームパッド捌きを駆使して戦うアクション難易度だけが高いアクション・ゲームが主流となり、謎を解くとか歴史を読み解くといったアドヴェンチャー色が極力薄まった。約六年前の「ツヴァイ!!」レビューで、ファルコム2DアクションRPGの限界がきていると書いたが、2Dっぽさを残した3Dに移行したことで、アクション性が大幅に増えた反動であると考えることができる。実際にアクション要素を売りとしており、タイムアタック・高難易度モードなど、それらがうたい文句だ。アクションは作品ごとに微妙に試行錯誤を繰り返しているが、どれも行き着く先は高い難易度のバトルモードである。

空の軌跡は、ファルコムのストーリーRPGのこれまでに無かった顔をいくつも引き出した。その功績は高く認めざるを得ない。ムービーに頼らないイベント演出、ドット絵っぽさを残したキャラたちによるイベントシーンなどは、ファルコムの新たなストーリー演出が高い可能性を、3D化によって実現可能とした。しかし、そんなストーリーにのめりこむ演出を持っても、シリーズ長期化が決定しどんなことでも後から後から設定が湧き出るように追加されていく以上は、ストーリーの小出しやマンネリ化は避けては通れない。その兆候は「the 3rd」ですでに現れている。

両シリーズともに共通しているのが、ゲームのストーリー本編が薄味となりつつある、ことだ。個々について詳しくは書かないが、それぞれの最新作である「イース・オリジン」「空の軌跡 the 3rd」では、NPC(ノンプレイヤーキャラクター、ここでは村人など)との会話が極力削られ、攻略をひたすら続けるだけ、の作業の繰りかえしがゲームの肝となってしまっていた。
空の軌跡 the 3rdをプレイ中に、「イース・オリジン」と、ほとんど同じゲームデザインであることに気づいたプレイヤーは果たしてどれだけいるだろうか。

あっ次の面だ→装備やキャラを鍛え攻略→また次の面。ゲームは記号化すれば、そんなものだが、いろいろとオブラートに包み込んで、ゲーム作業っぽさの繰り返しを見せない・感じさせないよう努力するのも、ゲーム職人の腕の奮いドコじゃないだろうか?買い物や宿屋も、配置されたオブジェクトで済ませるだけ、と共通点は多く、ファンタジーRPGの世界の色が薄まっている。ゲームのわき道や装飾を排除し、徹底して記号化すれば、機能となる買い物・体力の回復・ワープ・装備などは、オブジェクト一つで事足りてしまう。それじゃ、楽しくない。

僕は、ゲームデザインそのものを、今一度見直すところにきていると考える。これは、イースだから、空の軌跡だから、じゃなくて、ファルコムゲーム全体にいえることではないだろうか。アクション性が高いモードが何だ、感情の起伏が少ないメインシナリオなど、物語を謳うのには物足りないじゃないか。

で、空の軌跡 the 3rd。
「ファンディスク」といわれた。あながち間違いじゃない。もともと、この「空の軌跡」シリーズは、今までのファルコムゲームの中で、最も感情移入度が高い作品群であると断定できる。多くのプレイヤーキャラ、そして脇を固めるサブキャラたち。登場人物の一人ひとりにいたるまで徹底したキャラクタ設定と、せりふの変化、そういった経緯を経て、「the 3rd」の発売決定情報が無いころは、あのキャラはああいった活躍が期待できるとか、ああいうシチュエーションだといいとか、あのキャラの国が舞台でどういったキャラが登場するとか、ファンのキャラクタ語りが、あまりにも多かったものだ。キャラクタの強弱論・・・etc。そうしたファンのキャラクタへの思い入れともいえるキャラ語りに対して、ファンディスクに近い形で「the 3rd」は応えた。

独立したサブシナリオや、ミニゲーム集を用意したのである。
本編とはまったく絡まない、過去の記憶の回想イベントとしてそれらがゲーム本編に「記憶の扉」というカタチで挟まれている。見るも見ないもプレイヤーの自由だが、内容を予測することはできない仕様となっている。
そこには家庭用では再生不可能と思われるような悲惨なものもあったし、ホッとするような心和むイベントもあった。長時間のおつかいを体現したものもあり、途中で抜けられない仕様もある。まさに、、”ファンディスク”たるゆえんである。当然、ファンの声も千差万別だったろう。「こんなの望んじゃいねえ!」という声もあったろうと思うし、もっと違う形でのイベント集でもよかったじゃないか、という声もあったと思う。
でも、上記のように「空の軌跡」ファンが望んでいたのは、紛れも無くメインキャラ・サブキャラの活躍を描く場であり、世界観やキャラクタを深く掘り下げる”補填”だった。それは公式掲示板やインターネットでのサイトなどでのユーザーの声が証明しているし、ファルコムがそれを汲み取って、俺たちならこういう風にするぜ!と提供した。ファンの立場に立つのはいいことだが、それはそれで中々難しいものだ。

PCアダルトゲームに多い、イベントをいくつか収録しミニゲームやサントラ・資料集で脇を固める、従来のファンディスク形式だと居心地が悪かったのだろう。仮にも、「the 3rd」を冠するフルプライス作品であるから、中途半端なファンディスク形式では示しがつかなかった。国産PC−RPGの最後の砦とも称されるファルコムが、安直なまでのファンディスク方式であってたまるか!だから、ひととおりの納得が行く形での「本編」を用意して、「空の軌跡」の物語の「2nd」後日談を描き、完結させる。そこに、ミニゲームやサブストーリーを本編から隔離した形式でプレイできる方式で、自己・ユーザー共に納得させようとしたのでは?・・・とは、僕の勝手な憶測であるが、いかがなものだろうか。

一つ抜きん出てて秀逸なエピソードは、ヨシュアとエステルの出会い後の虫の王様探しイベント、だと思う。これは、「空の軌跡 1s」tの雰囲気をそのままに残した、暖かい話だったと思う。結社も謎設定も超文明もナシで、人と人のつながりを描いてる。こうした過去の出来事を経てきたからこそ、「1st」の別れ、「2nd」での再開から、肉親とも呼べる人との別れといった、ヨシュアとエステルの軌跡がより際立つものとなったのではないだろうか?こういったほほえましい話は、彼らが16歳になるまでいたるところであったはずだ、と僕は脳内妄想するが、それで十分なのだ。ヨシュアの別れの告白、それまでの葛藤を想像するプレイヤーは、こうした温かい話に触れるからこそ、別れの1シーンがより鮮明に補完される。すばらしいストーリー・リンクじゃないか。
「the 3rd」の公式サイト、エステルのキャラクタ紹介の台詞「みんなで笑えば一人じゃないって実感できる!〜」は、意外なところで使われているので意味深い。まだ理解するには幼いキャラへ諭す・・・・・・それはそのままそっくり、主人公の世代交代を指し示している、とはむちゃくちゃな予想です。

そうしたパーツごとのシナリオは凄く巧くて、プレイヤーをぐいぐいと引き込む魅力を持っている。しかし、全体をゲームとして統合したとき、どうしてもばらばら感を感じてしまうのである。そうした直感的な人と人とのシナリオを描く作品としての魅力がある作品? かと思えば、「2nd」→「3rd」と数を重ねるごとに、どんどんとベクトルが違う方面に傾いているのでは、と。
より強い敵の登場、謎の組織の謎もわからないまま、それ以上に謎の上位組織が初顔合わせし、強大さをアピールするなど。80年代ジャンプ黄金期のフォーマットを踏襲している。

イベントの回数の優遇度「ひいき」によるキャラクタの温度差(それこそ空気キャラ)、増えすぎたプレイヤー・キャラクタ、フリーザ様を思わせるじつは私は後○回変身できて、そのつど強くなる・・・みたいな、後出しじゃんけんも真っ青の、なんでもありでゴチャゴチャした世界観設定、といった点に危惧を覚えるのである。
ファルコム作品はシリーズものであっても、単独で物語が完結している作品がほとんどである。(空の軌跡以外のすべてのシリーズ)つまり、エンディングを迎えることで、一旦フォーマットされているのだ。イースIとイースIIの幕間もそう言えよう。続編から入っても、いちおうのプレイができる。
しかし、空の軌跡は世界観設定やキャラクター、プレイヤーの強さと言ったゲーム面での数値の全てが続編へ、ゲーム内の時間がそれほど経過せずに受け継がれる性質を持つ。それこそが、僕が不安に感じる点であり、一見、「なんでもありのゴチャゴチャ世界観」だが、実のところは、もの凄く狭い範囲で固定されているのでは?と感じてしまう箇所なのである。
様々な超設定や、キャラの登場、数値面ではどんどんとインフレを起こす、一分を越す強力なスキル演出(ラスボスの攻撃には驚愕)。そうした様々な要素がオーバー気味になってしまうことで、本来の魅力のひとつであった、主人公の人間的な成長(多くのキャラと交流することで培われていく)といった要素を逆に阻害しつつあるのではないだろうか?ある程度の「素朴さ」も演出になる。実際に、「the 3rd」の主人公は、本編を通しての人間としての成長要素は限りなく薄いものだった。要は、達観しきって完熟しきっているのである。ミッシャルさんの様な「そろそろ本気を出さないといけませんね!」系の完璧キャラは、主人公ポジションよりも、脇から支える方が物語が盛り上がると言うもの、ちがうかな・・・。
不安定な精神のレンあたりが、「英雄伝説VII」の主人公だったりして(笑い)。

「英雄伝説VIIへ続く」布石、というキャッチフレーズの「the 3rd」。それはつまり、「英雄伝説VI 空の軌跡」から三作続いた連続作品群がまだ完結せず、「英雄伝説VII」でも続編として展開される、ということである。サブタイトル「空の軌跡」を継承するかどうかは不明だが、「空の軌跡」の舞台となった場所が「VII」の舞台である可能性はきわめて高い。

物語の補完という特色を持った「the 3rd」の物語が終了し、実質「2ndから3rd」への変化は限りなく「ゼロ」だった。しかしシリーズは連続している。
ここで、本来の英雄伝説シリーズらしくストーリー(&キャラ成長の描写)を重視するか、それとも世界設定にどんどん付け足しを行って設定資料集や辞典が出来上がるような方向性を持った作品とするか、膨れ上がった「強さ」(数値面でも、キャラクタ設定面でも)もそろそろインフレ感が漂っている。

「英雄伝説 空の軌跡」は、今までにない多くのファンを獲得し、栄誉ある満足度No1も獲得した。しかし、長期シリーズ化にともない、新たな岐路に立たされたと言える。