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   読み物〜ちょっと一息



初回特典が及ぼす影響についての考察

はじめに

この読み物は、私がこれまでに(1995年から現在)触れてきたファルコムゲームの『特典』を例にあげ、ファルコムの特典の必要性、特典の影響力、ライトユーザーへのアピールなど、様々な視点から考察を行ったコラムです。
初めの項目では、ゲーム初回特典・および通常特典についての定義を定め、データ化することにより、ファルコムファンの間で『特典商法』と呼ばれる一連の特典付随販売方針について書き記しています。
第二項目は、特典に頼りきった采配、特典の魅力、有料特典と無料特典の違い(有料特典は本当の『特典』なのか)、そして、物量作戦による商品価値の低下について。
最終項目は、今後のファルコムには特典は必要かどうか、これまでの実例を元に考えたものです。

「商法」と書くと悪どい雰囲気に満ちていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
それを、様々な視点から研究・考察するための土台を構築する事が、今回の読物を書く側の最大の目的なのです。
このコラムが全てのファルコムゲームファンの総合判断材料となり得ればと思い、筆を執った次第です。

それでは、以下の項目をクリックしてください。

 ・第一章:初回特典一覧と、抱き合わせ商法
 ・第二章:さまざまな種類の初回特典
 ・第三章:今後のファルコムの『特典の是非』を考える
 ・あとがき
 

第一章:初回特典一覧と、抱き合わせ商法

First Chapter


「特典」の定義
この読み物では、ゲームソフトとは別に同梱されたグッズ・CDなどを一括して”特典”としています。さらに、料金上乗せ方式による『プレミアム版』特典や、パッケージには載っていない、おまけグッズ的な扱いの物も含めます。初回特典とは、ゲーム初期出荷分にしか付属されていない特典の事で、通常特典は、パッケージに必ず収録されている物を指す。

ゲーム特典の登場は、日本ファルコムの場合、古くはザナドゥ以前にまで歴史を遡る。ファルコム特典を語るためには、20年にわたる膨大な歴史を順に紐解いていく必要があります。
黎明期であるPC-88,98時代は、マウスパッド、ゲームロゴをあしらったメモ帳、フロッピーディスクケースなどがその代表的な例として挙げられるだろう。1991年の『代々木ファルコムショップ』の登場と時を同じくして、日本ファルコムはメディアミックス的な流れになった。「OVAイース」や「ミス・リリアコンテスト」「ファルコムライブ展開」「ファルコムフェスティバル」など、ゲームのみに留まらぬ展開があったのは、多くのファンの知るところだと思う。当然、イース2の人気キャラであるリリアのキャラクターグッズなども大量に出回ったわけだ。ゲームに、キャラクターグッズを「おまけ」として付属させていた時代がこの頃だ。
同年発売の3DRPG「ダイナソア」では、方眼紙やマップが特典として封入されていたという面白い実例がある。このゲームの性質上、マッピング作業=ゲーム攻略であるため、どうしても方眼紙が必須アイテムとなるからだ。ファルコム側のもくろみは、方眼紙を同梱させておくことによって、3DRPG初心者にも気軽にその独特のゲーム性を味わって欲しかったのではないでしょうか?この「ダイナソア」を境にして、現在も続くファルコムリメイク時代の”はしり”となる1994年の『英雄伝説Vリニューアル』まで、ゲーム特典の実例はぷっつりと途絶える事になる。

後に、ファルコムリメイク路線などと呼ばれるようになった最初の作品が、『英雄伝説Vリニューアル』である。PC-98用ゲームタイトルとして発売され、初期版だけで18万本も売れた、ファルコム後期の中で最もアピール力が強かった作品である『英雄伝説V〜もうひとつの英雄たちの物語〜白き魔女』のPC-98リメイク作品だ。この作品を売るに当たってのPRポイントが、やはり、初回封入特典であった。ファルコムゲームで初めて、ゲームミュージックCDが同梱されたタイトルでもある。

その後、リメイク路線が本格的になった。同じゲームタイトルが何度もリメイクされる事も珍しくなくなり、その度に違った客寄せグッズが必要となったのだ。(そういった意味で、リメイク作品と初回特典は、切っても切り離せない密着な関係にあると私は考えている。)フロッピーディスクからCD-ROMへとゲーム供給媒体が変わり、パソコンも大容量化時代を迎えたWindows95市場。ここでも、素材集や、手ごろに取り扱えるミュージックCDなどが獅子奮迅とばかりに活躍する。
そして、更なる大容量メディアの登場。DVD-ROMや、数10GBハードディスクはもはや当たり前。ファルコムのゲーム特典も大容量化し、ついにアニメDVDが特典として付属されるまでになった。
放物線を描きながら、ファルコムゲーム特典は止まるところを知らない。前年のイースT・U完全版では、『ゲームはただのオマケです。特典の値段です』という、クリエイターとしては万死に値するコメントを残し、多くのファンから失笑を買った実例がある。

図1:ファルコムゲーム特典の一覧

1994年
英雄伝説Vリニューアル 英伝V・ブランディッシュ3未収録曲集(CD)
ゲーム攻略ガイドブック  
備考*ファルコム歴史上初の、音楽CDが付属。リメイク路線の布石となった。
1995年
リバイバルザナドゥ ザナドゥ・フォトCD
ブランディッシュ1〜3リニューアル ファルコムレーベルサンプルミュージックCD
攻略ガイドブック
PC-98ソフトのオートデモ・体験版。
備考*3はスクリーンセーバーや壁紙など、マテリアルコレクション的意味合いが強い。
イースマテリアルコレクション ファルコムレーベルサンプルミュージックCD
PC-98ソフトのオートデモ・体験版。
1996年
英伝、イース(2)、ファルコム素材集 PC-98ソフトのオートデモ・体験版
サンプルミュージックCD。
英雄伝説W朱紅い雫(初回版のみ) サンプルミュージックCD。
PC-98キャンペーン用ソフト マウスパッドや、カレンダー、デモディスクなど。
ロードモナークオリジナル ファルコムレーベルサンプルミュージックCD。
1997年
新・英雄伝説(プレミアム版のみ) MIDIコレクションCD-ROM
マウスパッド
ソーサリアンフォーエバー(プレミアム版のみ) ファルコムレーベルサンプルミュージックCD
アートグラフィックCD
設定資料集
備考*この三つの特典は、後に特典のみをセットとして別売りされた。
1998年
イースエターナル(初回版のみ) FM音源版のミュージックCD
MIDIコレクションCD-ROM
アート・イラストCD-ROM
モナークモナーク(プレミアム版のみ) お宝CD-ROM(壁紙、体験版など)
ブランディッシュ4(プレミアム版のみ) 攻略ガイドブック(クレール編)
1999年
新・英雄伝説V(初回版のみ) ホワイトパッケージ
ガガーブの宝1(壁紙、サウンドなどのCD)
ガガーブ三部作設定資料集  
備考*ガガーブトリロジーが決定的となった作品。
西風の狂詩曲(初回版のみ) 攻略ガイドブック
英雄伝説X海の檻歌(初回版のみ) ミュージックCD(当時、未発表CDの物も有り)
デモムービー&画像CD
ブルーパッケージ
2000年
イースUエターナル(初回版のみ) 上製本マニュアル
DVDアニメ・イースU天空の神殿
デモムービーCD
ソーサリアンオリジナル(店頭・通販予約のみ限定) LDサイズのイラスト集
ミュージックCD
英雄伝説W朱紅い雫(初回版のみ) レッドパッケージ(ファルコム通販限定)
英雄伝説W初期シナリオ原本
英雄伝説W設定資料集
交響曲英雄伝説W〜寺嶋民哉eオーケストラ(CD)
2001年
イースT・U完全版(初回版のみ) 交響曲イース21stセンチュリー(CD)
DVD版OVAイース(全七巻)
ゴールドパッケージ
ツヴァイ!!(初回版のみ) オリジナルサウンドトラックzwei!!(CD)
イースヒーリング(CD)
シルバーパッケージ
2002年
VM JAPAN(初回版のみ) オリジナルサウンドトラックVMJAPAN(CD)
幻想交響曲白き魔女(CD)

図1では、主に私がファルコムゲームを知ってから現在までに考えられるゲーム初回特典の一覧を示した。1995年以降、ファルコムがリメイク路線に突入していることから、リメイクと初回特典とは切っても切り離せない関係にあることが、上図からも見て取れます。つまり、ファルコムにおけるリメイク作品というものは、現在のマシンではプレイ不可能な古き時代のゲームを、ゲームの手直しプラスアルファしたものであり、旧作プレイヤーにはゲームのリニューアル(作り直し)を提示する事によってオリジナル作品とは違った感動を与え、そして、旧作を遊んだ事が無いユーザーを惹きつける為の最大の武器が初回限定特典としているのである。

私がファルコムの初回特典を『特典商法』と呼んでいる最大の理由が、初回特典の肥大化&ゲーム作品価値の低下にあります。上でもちらっと書きましたが、それの代表的な例が『イースT・U完全版』『イースUエターナル』等であり、ゲーム本編よりもまず第一に特典ありきと言って良いでしょう。

ゲームの初回特典の商品価値>>>ゲーム本編の価値

、となる作風のゲームでは、決まって、通常では考えられないような豪華特典が初回版に付属されている。こういった、特典のみの魅力(というには滑稽すぎるけれど)でライトユーザーを釣る商法を、『抱き合わせ商法』と呼ぶ。つまり、こうだ。荒く言うと、ゲームのみ買うだけには必要としない特典も一緒に付いたバージョンを、発売日に売り、特典が無い『通常版』は発売日から数ヶ月が経過してようやく売りに出すパターンだ。例を挙げると、1998年のイースTエターナル、2000年のイースUエターナル、2001年のツヴァイ!!などが、初回特典限定版と特典なし通常版の二種類のバージョンで発売されている。

「人に楽園を作る力など無いのだ!欲望のままに奪い合い、殺し合う。それが人間だ、それが人の世だ。そんな人間のために神官の使命を守りつづける価値があると思うか?」「ここが、私たちの神殿・・・」「違う、人は真実を知った。必ず立ち上がるぞ!」
イメージ:OVAイース(全七巻)&OVAイースU天空の神殿
前者が1989年から1991年にかけて発売されたもので、後者が1992年から1993年に発売された。これらのDVD-VIDEOが、イースT・U完全版とイースUエターナルの初回特典のうちの一つである。

この商法の最大の特徴は、ゲーム発売日には特典分の価格を2〜3000円ほど上乗せした定価(最近はOpenが多い)で売られ、ゲームを純粋に楽しみたい人にとってはつまらぬ足枷となっている。『特典が付いて価格も安くてウレシイな!』とお思いの方もおられるだろう。気を悪くされるかもしれないが、それは大きな間違いだと言っておく。ファルコム側は、ゲーム本編とは関係ない特典も併せて売っているだけなのだからな。その良い例えとして、ツヴァイ・VMJAPAN等の作品には、ゲームタイトルとまったくの関係のないゲームの音楽CDが抱き合わせで付属されているではないか!


第ニ章:さまざまな種類の初回特典

Second Chapter


第一章では、ファルコムゲームの初回特典の種類と、代表的な例について語りました。第二章では、それとは違った視点でゲーム初回特典についての考察となります。

ファルコムの特典商法も段々とパターン化してきた感があります。いや、平たく言ってしまえば『型にはまってきた』と表現した方が適切でしょうか。ゲームミュージックCD含有率もほぼ90パーセントを越え、ここ数年間のゲームで、初回特典が無かったゲームは、ヴァンテージマスターとブランディッシュVTぐらいです。後の作品では、何らかの形でゲーム+オマケの構図が成り立っています。

ファルコム歴史における(初回)特典の変遷
Falcom黎明期  ・・・・   関連グッズ(マウスパッド、メモ帳、FDケース、下敷きなど)
PC-98&メディアミックス  ・・・・   ゲームキャラクターグッズ(主に代々木ファルコムショップ)
リメイク時代(黎明期)  ・・・・   キングレコード関連のサンプルミュージックCDや、素材集関連。
リメイク時代(Win95市場)  ・・・・   主に、ディスクを一枚丸ごと使ったイラスト集、またはミュージックCD。
エターナル路線以降  ・・・・   OVAなどを中心に、常に特典の数が三つ以上になる構成が多い。

■特典の必要性
新規ユーザーを獲得するためには、リメイクのみではインパクトが無い。そこで、新規ユーザーを獲得するには、オリジナリティー・ゲーム性では現在の作品では劣るリメイク作品の宿命に従いながらも、魅力が有る作品にしなければならない。となると必然的に、初回特典に話が移るのは至極当然の事だ。個人的な持ち論だが、リメイク・リニューアル作品に限って言えば、初回特典はあっても良い物だと思っている。だが、リニューアル作品であれど、クリエイターとしての心を尊重して欲しいのが本心。特典の価値に頼りきったゲーム作りにならぬようあって欲しいものだ。

■特典の魅力と価値
2000年のイースUエターナルでは、「OVA版イース天空の神殿」のDVDビデオが初回特典として収録されたせいか、初回出荷だけで16万本オーバーの大ヒットをレコードしました。16万本という数字は、コンシューマーでは別段大した事が無く映るでしょうが、PCゲームプレイユーザーのシェアやコピーユーザーの多さなどと照らし合わせてみると、かなりの大ヒットであると断言できます。ゲームの出来云々というよりは、イースのネームバリュー、OVAイース天空の神殿と秀逸なオープニングムービーの宣伝大量投下等が実を結んだ、当然の結果でしょう。
イースUエターナルは、ファルコムブランドやイースといった固有名詞すら知らぬライトユーザーにもPR出来たりと、ファルコムリメイク時代の中でも最大級の破壊力を持ち併せ、ファルコムの特典商法を決定的な物とし、更には今後のリメイクへの布石として確かな自信を与えた作品である。良くも悪くも、七年にわたって続く(進行形)リメイク時代の一つのターニングポイントに位置する。
ここは仮説ですが、PCゲーム・コピーユーザーの蔓延がそこまで広がらず、製品版を多くのユーザーが購入したということは、DVD-VIDEOの特典メディアや、ゲームディスクの早急なDVD-ROM版(当時のPCゲームでDVD版は珍しい物だった)などが安易なコピーを防ぐのに一躍買ったという事に他ならないのではないでしょうか?

■有料特典と無料特典の違い
ファルコムゲームには、料金上乗せ方式による『プレミアム版』が確実に存在する。これまでに例にあげてきた”初回特典”とは違った位置にあるものなので、再確認の意味もこめてここで解説しましょう。
プレミアム版と銘打っているが、実際の通常版(非プレミアム?)に特典分の料金を上乗せしたバージョンなので、ここでは有料特典として定義している。ファルコムは、これまで、特典付きバージョンを『プレミアム版』と呼んでおり、間髪いれずに『通常版』なるものも発売するケースが多い。
プレミアム版の表記が無い、第二期出荷以降が特典無し版に差し替えられてるソフトとの違いは、第二期出荷分である『通常版』が市場に出回りにくかったゲームばかりであること、でしょうか。
プレミアムを銘打ったゲームは、新・英雄伝説T、ソーサリアン・フォーエバー、ブランディッシュ4、モナークモナーク等。奇しくも、これらの全タイトルは、3000円以下の廉価版『スリムノートサイズ版(CDブートレス仕様版)』や、意味不明の『DVDパッケージシリーズ』にピタリと符合しているのも興味深い。よって、価格が1000円程度下がった通常パッケージ版よりも、手ごろなサイズの廉価版が好まれた、ということでしょうか。どのみち、プレミアム版を銘打ったゲームの全てが、良い成果を残せなかった作品ばかりだというのは紛れも無い事実である。

■商品価値の低下
タイトルにも有るように、ファルコムミレニアムシリーズ(自社音楽レーベル)のゲームミュージックCDの価値が限り無くゼロに近くなったと考えます。2001年末の新作ゲーム・ツヴァイ!!には、オリジナルサウンドトラックとイースのアレンジアルバムの二枚が初回特典として封入。ゲーム購入者の殆どがサントラを手にされた事でしょう。短絡的に考えるならば、オリジナルサントラのオマケは、ゲーム購入層の増加に繋がるのかもしれません。しかし、せっかくの思いで設立した自社ミュージックレーベルの作品価値を無くしてしまったことに、ファルコム側は気付かれているのでしょうか?
通算第五弾の二タイトル全てを特典として入れたのでは、当然、アルバム単品としての購入層は限られてきます。当たり前ですが、ツヴァイを買った人はCDは買わないだろう。
意外に多い(失礼)ファルコムゲームミュージックファンの期待のサントラ。こういった扱いを受けるのは納得行かないという声も聞かれました。自社のミュージックレーベルがインディーズ(自社流通オンリー)方式で、購入方法が狭い事もあり、売上が伸び悩んでいるとはいえ、自分で自分のレーベルの発展への可能性を閉ざしてしまっては、元も子もありません。

特典によって、ゲーム以外の様々な部分に影響が出ています。ファルコムゲーム作りの方針、FMSレーベルの微妙な方向変換、特典を大量に付けたからといって必ずしもゲームが売れるとは限らない現状など。
ゲーム特典と連動させることで初めて、ゲーム全体の価値を見出せる作品も登場しました。
そう、ガガーブ三部作です。
ゲームサブタイトルに習った三色カラーの初回パッケージ。ストーリー性の強いゲームをより楽しむための、ゲームシナリオ原本や設定資料集などが主な初回特典であった。ゲーム自体が、ストーリー性もさることながら、物語のバックボーンとなる部分がしっかりと作られている作品なので、物語の完全補完を目指すユーザーにとって見ては、まさに三部作は『究極の設定ゲーム』だったといえましょう。

イメージ:ガガーブ三部作における、設定資料集関連の初回特典
『ガガーブ三部作』の名称が初めて登場したのが、1999年の新・英雄伝説Vのガガーブ三部作設定資料集。だが、物語の中核を担うレオーネ・フレデリック・リヒターの名は、1996年の英雄伝説ピアノコレクションで既出であった。

90年代までのファルコムゲームは、ドラゴンスレイヤーシリーズを軸に構え、アクションなどのゲーム性をユーザーに訴えてきた作風でしたが、1994年の英雄伝説V以降の(後に呼ばれる)ガガーブ三部作がファルコムファンの大多数の支持を得た事により、ゲーム作りも大幅に変わった。アクションからストーリー先導型・テキスト演出型への変化です。
後期英雄伝説シリーズが、ゲーム特典の概念を、お菓子の「オマケ」レヴェルから、高額な「特典」レヴェルにまで引き上げたものだと私は考えます。1994年を境に、ファルコムゲームスタイルが大きく変わった。これは、特典面のみならず、全ての面において、功罪共に大きいといえるだろう。


第三章:今後のファルコムの『特典の是非』を考える

Final(Third) Chapter


最終章では、私の個人的な意見によるファルコム特典考察。

直接的な売上げに結びつく初回特典もあれば、全くの無駄となった特典もありました。
個人的に、ゲーム特典は問題内のレベルならば特に気にならない所なのですが、ここ数年間のファルコムの初回特典は明らかにやり過ぎだと思います。第一章の「特典抱き合わせ商法」という言い回しがピッタリ似合います。それぐらい、ファルコムファンから見ても、第三者から見ても特異的な現象であるのです。違うゲームのサントラCDを平気でセットにしたり、500ページを越える資料集を付属させたりと、これじゃあ、どうみても明らかさまに、

「特典を作ることが第一です。ゲーム作りはその後です。」

って感じじゃねえか。
技術のファルコムだとか、そんなのは期待していないからさ、こう、ファンとして後ろめたさを感じない、普通の作品を作れねえものなのかね。なんだか、特典がないと安心してゲームすら売れない現状は見ていて哀しいよ。ヴァンテージマスターのように、特典が付かなかった作品が今でも高く評価されているのもおかしな話だ。(発売から5年経過しても、未だにプレイ人口が多いことから)

多分、これからもファルコムゲームには、これぞとばかりに特典が付きまくることでしょう。それは、七年以上にわたる『リメイク時代=初回特典の時代』が完全に証明している事であり、その路線を簡単に変えることはそう簡単には出来ないことなのですから。『今年は新作路線!』と銘打った2001年でも、結局のところはリメイク作品の最筆頭である”イースT・U完全版”なる作品が登場した事から、路線変更は予想以上に難しいことを物語っています。(翌年には、その中のイースT部分だけを抜き取ったT・完全版が発売された事も記憶に新しいですね。)



では、今後のファルコムラインナップはどうなるのか・・・?
一年前のホットインフォメーションで公開された、以下の文、
★全くのタイトル未定正体不明数本 ★英雄伝説 ★イース ★ダイナソア ★ヴァンテージマスター ★ソーサリアン ★ザナドゥだったかな〜そんなにいっぱいホンとにぃ?(責任もてません)。
を見る限りでは、今年のみならず翌年以降もリメイク路線が継続されることが予測できます。2000年時の、発売タイトル全てがリメイク作品、という事は無いでしょうけれど、懐古的なリメイクゲームも大きく視野に入れたゲーム作りになる事はほぼ間違いないでしょう。となると、原作ファンにとって史料価値が高く入手が困難であるオリジナルサントラCD(復刻盤)や、新作アレンジアルバムなどが付属特典として考えられます。


あとがき
あえて今回は、事例を多く述べることに重点を置き、定番のファルコム批評は殆ど行いませんでした。それが意味するところは、僕個人の意見を、ウェブスペースを利用して一方的に叩きつけるのでなく、読者の方に考える余地、様々な情報を多角的に見ることによる判断を全て任せたからです。今までの読み物の中で珍しく、自己完結を行わなかったテキストでした。

このコラムでは、近年肥大化を続けるファルコムゲームの初回特典とその商法について考えました。
ゲームを普通に購入するだけならば、何ら気にならないゲーム初回特典ですが、ちょっとした側面もあるという事をこの読み物をきっかけに考えてもらえれば幸いです。