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2003年度:ファルコム総評
【CONTENTS】 ・第一章〜売り上げの点だけで見る、2002年まで ・第二章〜2003年度のゲームラインナップ ・第三章〜ファン層の変化 ・第四章〜2004年度に向けて
【第一章〜売り上げの点だけで見る、2002年まで】
2003年度総評に入るにあたり、まず、前回のコラム「ファルコム総評:2002年度」を元に、2002年度(2002年4月〜2003年3月末まで)のおさらいをしたいとおもう。2002年度は、期間内に発売されたゲームの中でも特に、「ダイナソア・リザレクション」,「月影のデスティニー」の売り上げ不振が際立った。虎の子SLG「Vantage
Masterジャパン&パワーアップキット」は雑誌の2位〜5位のランキング上位に食い込む大健闘を見せ、発売後の急速なランク外現象「ファルコムゲームの売り上げグラフは、ランキング上位に食い込むが翌月にはランク外になる”彗星落下型”」の法則を打ち破り、ロングランを果たしている。それでも店頭では売れ残りが大量に発生、在庫処分に困る現象があちこちで見受けられた。SLG大手のメーカーが得意とする抱き合わせ販売スタイルに習って「VMJ
with パワーアップキット」(Falcomラインナップには載っていない)が発売されるも、時、既に遅し。 このことからも、2002年度は、だれの目から見ても明らかに振るわない年だったと見ることができる。理由のひとつは、現在のファンの大多数から支持されているタイトル「イースシリーズ」「英雄伝説シリーズ」や期待度が高いオリジナルの新作などが無かったからである。
ここ数年を振りかえると・・・・・・。
1998年度・・・リメイク作「イースエターナル」が連続一位、オンライン対戦機能を追加した再生産パッケージ「Vantage
Master Version2」のランキング1位、リメイクもの「ブランディッシュ4」,「モナークモナーク」はさほど振るわず。「モナーク」は大規模な販促活動を行うも、売り上げには直結せず。
1999年度・・・「西風の狂詩曲」が一位を獲得。「英雄伝説V海の檻歌」は僅差で惜しくも一位を逃すが、競争相手がAOE(Age
of Empire -Age of Kings)だったので仕方ない。ガガーブトリロジーの幕開けである「新・英雄伝説III」も中々良い出だしをきる。
2000年度・・・リメイク作「イースIIエターナル」は18万本オーバーという怪物級のヒット。その数ヵ月後に発売されたリメイク「ソーサリアン・オリジナル」は全く振るわなかった。また、ガガーブトリロジーセカンドの別名がつけられた「英雄伝説IV」(新〜が故意に消されている)は順調にランキング一位を獲得。
2001年度・・・「イースI・II完全版」の7万本超のヒットをみせ、新作「ツヴァイ!!」もランキング一位を取るスマッシュヒット。
2002年度・・・「VM
Japan」はランキング枠に長期残ることが出来たが、店頭在庫を多く抱える結果となる。「ダイナソアリザレクション」は大量特典すら見向きもされず、かなり悲しい状況に。2003年3月の「月影のデスティニー」は、ゲーム単体ではさほど注目されなかったが、「イースV」が特典で付くとあって、「イース」ファンの衝動買いの後押しもあったようである。
・・・・・・と書き表すことが出来る。リメイク攻勢期の終焉から新作路線へシフトチェンジしようと動きを見せようとするさなか、2002年の大コケは深く影を落とす結果となった。 こんな結果が残ってしまったのも、守りに特化したラインナップだったからこそ、とも考えることが出来る。リメイクパッケージ中心のラインナップを組んだ1997年〜いわゆるNEC:PC-9801/21(DOS)からWindows95への移転期〜も、同じように、「ロードモナークPro」,「新・英雄伝説」,「ソーサリアン・フォーエバー」のリメイクソフト勢は散々たる結果で、唯一の新作「Vantage
Master」のみがランキング一位をかっさらうヒットを記録出来たんだっけ。 今(これを書いている2004年の春)は勢力図が変わっていてひょっとしたら違うかもしれないが、ファルコムゲームの数多いリメイクゲームの中で、「売り上げという点で」充分すぎる成果を遺すことが出来る”既存の”ネームバリューは「イースシリーズ」、「後期英雄伝説シリーズ」だけなのかもしれない。歴史を1995年に戻って見れば、PC-9801/21の「リバイバルザナドゥ」が素晴らしい結果を残しているが、2002年の、「完全復刻版ザナドゥ」発売時に大半のユーザー動きが無かったことから、今現在はファンから「ザナドゥ」で票を集めるのは厳しい時代のように感じ取れる。
厳しい戦いを強いられるファルコムだが、2003年度は2002年のようにはいかない!そう思っていた。 なぜなら、2003年度のラインナップには「アークトゥルス」(ファルコムの、2D⇒3Dゲームへの以降の際のゲーム作りの雛形ともウワサされた)や八年ぶりの続編「イースVI」といった、ファン待望のビッグネームが待っていたからである。実際に、その期待は結果として現れるわけであるが、それは第二章で語りましょう。
【第二章〜2003年度のゲームラインナップ】
(このコラムでは、2003年4月〜2004年3月までを、「2003年度」と表している。)
すっかりファルコム恒例行事となった「XP対応版」(完全版の名が付くことも)発売や、他社がリリースする廉価パッケージ版などは此処では取り上げず、純粋に2003年度に発売された新タイトルだけをピックアップした。2003年度に発売されたファルコムゲームは以下のとおりである。海外プロデュース第三弾にあたる「アークトゥルス」、多くのファルコムゲームファンが期待した「イースVI」、無謀な挑戦ともいえるCD/DVD八枚組みのセットパッケージ「ファルコムスペシャルボックス2004」の三作品だ。
(前回のコラム「2002年度:ファルコム総評」では、2003年3月に発売された「月影のデスティニー」をフォローしていなかったので、どちらのコラムにも書かれず、宙に浮いた形となってしまった。)
・アークトゥルス (特典あり版が発売、後に特典なしの通常版が発売される)
・イースVI (初回版は特典つき、追加要素ありの通常版が三月間を待たずして発売)
・ファルコムスペシャルボックス2004 (Game
Musicサントラと素材集のセット集で、公式ページでバラ売りされた)
「アークトゥルス」は、今年テレビアニメも始まりいよいよ日本の大衆ゲームへの仲間入りを果たそうとしているビッグネーム「ラグナロク・オンライン」の製作スタッフなどが手掛けたゲームで、正式ラインナップに加わってからは、ファルコムファン以外からも広く注目されていたようである。 ファルコムの「海外プロデュース」第三弾ソフトであり、2001年の頃から非公式にだが「ファルコムが日本語版移植を手掛ける」とニュースが出ていたゲームである。プレイユーザー層も、今までのリメイク作品のように「ファルコムが同社の過去の作品のリメイク」を求める層、つまりはファルコムに少なからず熱心なファン属性が高いユーザーとは全く異なって、(ファルコムだからと別段拘らない)比較的幅広いプレイユーザー層を獲得できたように見えた。
そして、2003年9月、「イースVI-ナピシュテムの匣-」が発売されるや、「イースIIエターナル」の時のような勢いは見られなかったものの、同年に発売された一般PCゲームの中での総合売り上げでは1位・2位を争うほどのエナジーを見せ付けたのであった。売り上げの瞬間的な爆発力はかなりのもので、発売日から一週間程度で地方を中心に品切れを起こすほどだった。「イースシリーズの続編、ということで期待していた」人も多く、「イース」を知らない人は、あちこちで語られている逸話に、様々な思いを馳せた。ネームバリューの大きさを改めて再認知するところとなった。 そして何より、PC-88/98当時の(黄金期の頃の)ファルコムファンも少なからず、「イースの続編だから」と振り向かせて買わせてしまったのだ。「イース」は(Windows環境以降、ファルコムを見限っている昔っからのファルコムファンの人も多いしね。)ゲームとしての「よさ」は別に、ブランド名ではなくゲームタイトルの”名義買い”をさせてしまう唯一のゲームだったのだ。
【第三章〜ファン層の変化】
既に多くのPCソフトハウスが撤退・廃業を余儀なくされたNEC:PC-98x1シリーズ〜Windows環境移行の、現在の日本のPCゲーム市場。海外勢からの日本語版移植ソフトが店頭の大半を占め、コンシューマからの参入した大手ソフトハウスもあるが、たいていがPCゲームオリジナルではなく、既存のソフトの移植版かネットゲームだったりする。ここ数年では、インターネット環境の普及に伴い、海外からの(特にアジア)オンラインゲームが台頭してきた。国産PCゲームブランドは、ここ数年、瀕死の状態にあるのだ。精力的にソフトを発表できるブランドは数える程度にしかならず、(その中にファルコムは入っている)もっと絞れば、RPGを中心としたPCソフトハウスは今や日本ファルコムだけなのである。昔ながらの”味”を遺した、良くも悪くもそれが”個性”のソフトハウスなのである。
いっぽう、傍目には実用性を重視したエロ特化型ばかりの18禁ゲーム市場。時には哲学的な一面すら覗かせる。もはや国産PCゲーム市場の「表の顔」ともいえる「18禁ゲーム(エロゲー)」は、浜の真砂(まさご)は尽きなれど〜て感じで、次から次へと呆れんばかりに溢れ出てくる。語る価値も見出せないゲームもあれば、幅広い層に支持される不朽の名作とも呼ぶべきソフトも登場したりするので、一概に侮れないのである。 しかし・・・・・・ゲームリリース数&ブランドの大量乱立が続き、いずれは飽和状態がパンクしそうな気配。エロゲームは常に需要があるから消滅はしなくとも、程々の処で落ち着くものだと思っている。
僕は、そんな18禁を省いた国産PCソフトハウス全体に活気が見られない現在であっても、いろいろと危ない橋を渡りつつも常に一定以上のクオリティーを維持し続けるファルコムを見て思う。「ファルコムは何だかんだしながらも、がんばっている方だな」と、複雑なため息をつかずには居られないのであった・・・・・・。
さて、そんなファルコムだが、ここ数年で確実にファン層が変わりつつある。それは確かだ。 ガガーブトリロジーが、イースエターナルシリーズが、Windowsからのユーザーに受け入れられ、高く評価されている。それは、断片的だが、ネットでの評価を見ていれば分かることだと思う。 ファルコムは、此処最近明らかにターゲットをコアなファン層から別の層にシフトチェンジしつつあるように思える。低年齢層にも気軽に遊べるようなキャラクターデザイン(モンスターなどはコミカルに)を有する「zwei!!」や、シミュレーションゲーム層をターゲットに置いた「VM
JAPAN」や、ファルコムブランド名に拘らない海外のパッケージを発売してきた。 そんな結果、大半を占めていたPC88,98からのファルコムファン層とは別の、新たなファン層が出来上がったものと思われる。
(C)
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アナザー・ストーリーもどきです。

「今日も、お仕事お疲れさま。」 「兄さん、今日もファルコムのゲームが届いていたよ。今度発売されたのは、どんな内容なの?」

「ああ・・・。今回のは、厳密には”ゲームソフト”じゃなくて、”ファルコムスペシャルボックス2004”という、」 「一種のファンディスクだよ。そのブランドのゲームを遊んだことがある人間向け、といえばいいのかな?」
「ファンディスク・・・?ふうん・・・ 私、ファルコムのゲームはどれも好きだから、ファンディスクも楽しめるかな。」 「ううん、きっと楽しいはずだよね。だって、兄さんが選んでくれたゲームだから。」
「ファルコムのゲーム・・・か・・・。毎回の事ながら、此処のゲームソフトハウスには驚かされっぱなしだ。」 「僕も、”仕事の合間の息抜き程度”、と思って買ってみたら、何時の間にかマニア君一号になっていたからね。」
「私が好きなのは、”ガガーブトリロジー”の”英雄伝説V”かな。」 「兄さんに負けないぐらい優しい人たちが登場するし、それに・・・・・・。」

「ははは・・・ちょっと妬けるね。それに・・・?」
「それに・・・暖かいの。遊んでいるうちに、気持ちが落ち着いていくのが分かる。」 「癒されるっていうのかな。こういう気持ち。だから、好き・・・なのだと思う。」
「そういってもらえると、買い続けきた僕もウレシイよ。」 「ソフィが喜んでくれるようなゲームを選んできたつもりだし、これからも、ファルコムのゲームは買い続けるつもりだよ。」
「この不条理な世界には、あまりにも危険が多すぎるからね。」
(ソフィアには教えるわけには行かない。この世界には危険が多すぎる。) (こんな腐敗した世界の中で、唯一穢れを知らない少女なのだから・・・)
「ありがとう・・・・・。わたし、いつも思ってるの。兄さんの妹になれて、本当によかったなぁ・・・・・・って。」 「もう、どこにも行かないで・・・・・。わたし、もう、一人はいやだよ・・・。」

(ぎゅっ・・・。)
「心配要らないよ。僕は必ず戻る。いつからそんなに心配性になったの?」
「兄さんに出逢ったときから・・・ずっとだよ。兄さんがいるから、わたし、生きていける。」 「大事なんだよ、兄さんのことが。わたしなんかよりも、ずっとずっと・・・」
「馬鹿。 ・・・・ありがとう、心配してくれて。」
(ソフィア、もう少しだけ我慢してくれ。そうしたら、必ず外の世界へいける。) (削り取られ、地獄へ堕ちていくのは僕一人だけで充分だ・・・・・・。)
「僕からも約束をいいかな?」
「えっ?」
「ソフィも、僕の前からいなくなったりしないって、約束・・・・・・絶対だよ。」
「ふふっ、もう・・・・・馬鹿なんだから、兄さんは。」
(僕は、きっと泣きそうな顔をしていたんだと思う。) (だから・・・。)
護れない (笑おう・・・笑い通さないと、ソフィアは騙せない。)
「落ち着いた?」
「ははは・・・これじゃぁまるで、ソフィアが姉で、僕が弟みたいじゃないか。」
・・・・・・・・・・・・
「ねえ、兄さん。私、思うんだけど、ファルコムのゲームが毎回のように言いたい事って何なのかな?」
「そりゃ、メーカーサイドが、ユーザーに向けて言わんとする”テーマ”は当然あるさ。ファルコムゲームに限らずね。」 「それに気付く気付かないは、個人の感性とか培った教養といった部分が大きく左右するだろうけど、」 「人それぞれにそのゲームから、またはブランド全体のゲーム作りの姿勢からインスパイアされるものがあるハズだ。」 「ファルコムは、ファンタジーRPGというジャンルをもって、少年少女の成長する姿を描写してきた。」 「それをユーザーがどう受け止めたは、多くのファルコム系ファンサイトの存在が既に答えを出しているさ。」
「そうね・・・。きっとそうだよね。」
「ずっと、ファルコムゲームは”ロールプレイングゲーム”を通してきたでしょ。」 「毎回、似たような世界とか、キーワードが登場するし。」
「でも、ファルコムが作るロールプレイングゲームは、私好きだよ。」 「だって、最初は先に進めなくても、努力すれば必ず先に進めるようになるから、誰でもクリアーできる。」 「ファルコムのゲームは、”難しい”とか”意地悪な隠し要素”が少ない、万人向けのRPGじゃないかな??」
(ソフィア、君はXanaduシナリオIIやロマンシアの殺人級の難易度を知らないから、そんな優しい事が言えるんだよ・・・・。) (努力だけではどうしようもない部分が、過去のファルコムにはあったんだ。それを求めるユーザーも多かったんだよ。)
「そっ、それもそうだね。確かに今のファルコムRPGは、物語る事に比重を置いているから、難易度は低いと思う。」 「その分、キャラクターやストーリーにのめり込めるように出来ている筈だよ。」
(まあ、そのファルコムスタイルの大規模な路線変更の結果、ファン層に大きな変化が起こり、) (今現在に到っているわけだが・・・・・・。) (それが良かったのか、悪かったのかは、判断できないでいる・・・。)
「・・・わたしは、”ファンタジー”幻想の世界の夢物語で描かれる事というのは、テーマが限定されると思うの。」 「どうしてもリアルさに欠ける世界が舞台でしょう。だから、非現実的であり、イマイチ説得力に弱いと思うんだけど。」
「うーん、確かにそうだね。でも、そうだっていいじゃないか。たとえ夢物語でも空絵事であったとしても。」 「僕は思うんだ。」
「ほら、ファルコムのウェブサイト(会社案内)を見てごらん。」 「ファルコムが言わんとせん所は、まさしく”夢”なんだよ。」
「えっ? 夢・・・。」
「だから、ソフィアが言う”リアルさに欠ける”という意見は至極当然の反応だとおもうし、たとえ”夢”や、」 「”架空のファンタジー”であったとしても、その世界観から描くストーリーを通じてユーザーに伝えたいことは、世界が」 「リアルでないものだとしても、誰にでも受け入れることができる、普遍的なものであると僕は考えるんだ。」
「ほら、ソフィアが言った、”優しい人”とか”暖かい”とか、そんな漠然としたもの。」 「ゲーム世界を歩きながら、感じることが出来る空気みたいなものも、ファルコムならでは、なんじゃないかな?」
「ひとつの超越的な存在が、周りを無視して全てを解決してしまう手法は僕も嫌いだけど、」 「多くの人々の葛藤、友情、熱情、そうした部分の描写は、プレイユーザーの心に大きく突き刺さるはずさ。」 「それらは、偽善でも格好付けるためのアクションでもなく、人が持つ純粋な部分、ではないのかな。」
「兄さん、なんとなく分かるような気がする。」 「”英雄伝説III〜もうひとつの英雄たちの物語”では、少年少女の旅を通じて成長を描いたでしょ?」 「多くの人たちと出会い、困難を乗り越えながらも、段々と大人へと成長していく。」 「そういうテーマは、架空のファンタジーであろうが、リアルなものであろうとも、変わりない普遍のものなんだよね。」
「うん、きっとそんな感じだと思うよ。」 「ゲームを終えて、スタッフロールが流れるだろ?その後の余韻があれば、そのゲームは残ったんだ。」
「私、”英雄伝説III〜もうひとつの英雄たちの物語”のエンド後の画面をずっとみていたんだ・・・・。」 「それこそ、10分でも20分でも。様々な思いが葛藤して、遺した物は何だったんだろうとか?色んな事を思ったよ。」
「ははは・・・やっぱりソフィアにファルコムゲームを薦めて良かったよ。心から思う。」 「兄さん、感動したッ!」
「それじゃ早速、今回買ってきたのを開けてみようかっ!」
「うんっ!」
「兄さんが帰ってくるまで、通販箱を開けないでいたの。」 「楽しみだね。わくわく。」

(ドサッ・・・。 ころころ。)
「えっ? 何・・これ?」
「”何これ?”って、釣れないなぁ、ソフィ。HAHAHA・・・。見てのとおり、ファルコムの最新作ソフトじゃない?」 「当然、オフィシャルサイト通販で予約したものだよ。ほら見て、通販特典のデマCDも付いているよっ。」
「に、兄さん。 ゲームは分かるよ。兄さん、前から”買いたい〜!”って叫んでたから。私も知っていた。」 「でも何で、”イースVI”があるの? この前買って、遊んだばっかりじゃない?」
「ああ、これね。これは、イースVIの通常版なんだ。」 「タイムアタックモードと、難易度変更機能が付いているんだ。すごいだろ?」
「”通”
・ ”常” ・ ”版” ?? これは一体、どういうことなの?」
(ゴゴゴゴゴ・・・・・。)
一瞬にして空気が変わる。 十万を超える天使の中で、たった三体しか存在しない最強の天使たち。 反(アンチ)天使の異名を持つ、「魔郡・ベルゼバブ」「魔刃・ベリアル」、「中傷者・アスタロス」。 その一体、魔郡ベルゼバブの宿主でもあり、”グノーシスの母”の別名を持つソフィアの怒りは、まさしく暴食の雨。

「にいさんっ!!」
(バンッ!!)
「ソっ、ソフィアっ、これは、イースVIを買ったユーザーがFSB2004と一緒に買うと半額だったんだ!だっ、だから・・・」 「新機能が付いたイースVIが安く買えて、とってもお買い得なセットじゃないかっ!!」
「どこがお買い得なの・・・? 抱き合わせを買わされていることの何処が!!?」 「兄さんはいつも優しいから・・・・。 《ファルコム》という理由だけで、すぐに買っちゃうから・・・・。」 「でも、買うべきゲームと買わなくてもいいゲーム位の判別は付けて欲しいよ!」
「ソ・・・ソフィアッ!!」 「それは聞き捨てならないぞっ! 通常版のどこが買わなくてもいいゲームなんだ!?」
「にいさん・・・。 ”お金はアレほど大切にしなきゃ”って何時も言っているじゃない!」 「それに、イースVIは、ついこの前買ったでしょう! 何が楽しくて、同じゲームを二回も買う必要があるの?」 「さあ! 分かりやすく説明して頂戴!」
「うぐぐ・・・あの・・・そ・・・それは・・・ソフィア!」 「そうだっ! ファンならば、発売日に買うことこそが義務なんだ! 信者の責務なんだよ。」 「予約受付開始直後に即予約して、ゲームが宅急便で届くのを今や遅しと待つ。 この快感!! エクスタシー!」 「このリビドー(性衝動)は誰にも止める事は出来ないんだ! だから、分かってくれ、頼むっ!! この通りだっ!」
「・・・兄さん・・・私は、ファルコムゲームは好きだけど信者じゃない。残念だけれど・・・気持ちは理解できない。」
「私は、兄さんが居てくれればそれでいいの・・・。」 「でも、聞き分けの悪い兄さんは嫌い!!」
 シン
「アクセス、《暴食》!」
「うわぁぁぁあぁぁああ!! その銃を構える仕草と詠唱はまさかぁぁぁっ!!?」 「待て、ソフィア、早まるな! 兄さんが悪かった! だから・・」
「イザヘル・アヴォン・アヴォタブ・エルアドナイ・ヴェハタット・イモー・アルティマフ」
「ヴァイルバシュ・ケララー・ケマドー・ヴァタヴォー・ハマイム・ベキルボー・ヴェハシュメン・ベアツモタヴ…」
「呪いを衣として身に纏え。呪いが水のように腑へ、油のように骨髄へ纏いし呪いは、汝を縊る帯となれ」
「ゾット・ペウラット・ソテナイ・メエット・アドナイ・ヴェハドヴェリーム・ラア・アル・ナフシー」
「暴食のクウィンテセンス。肉を食み骨を溶かし、霊の一片までも爛れ落として陵辱せしめよ」 グローインベル
「死に濡れろ――――暴食の雨」

おしおきですっ!!
「レスト・イン・ピースッ!!」
「あひゃぁぁぁぁっ!!」
お金は大切にしましょう。
fin.
【第四章〜2004年度に向けて】
海外プロデュースも一段落、株式上場も無事にこなし、聞のマザーズ欄には新「ファルコム」の名が毎日載るようになった。(最近は、▼印ばかりが目立つようだが、きっと新作を発表すれば△印になるものとおもう。)2003年度最大のタイトル「イースVI」も、大方評判がよく、ファルコムは「わが道を行く!」とばかりに躍進を続けている。特に問題は無いように思える。
特に、他社との提携がハッキリと分かるようになったのは大きな前進であるように思える。国内では、コンシューマー大手のコナミ・タイトーからイースVIがPS2と携帯ゲームで発売、アーケードではアルゼがキャラグッズ展開を見せる、海外ではイースをモティーフとしたネットゲームが展開される予定に有る。これらは、ファルコムが実力で掴み取った結果ではないにしろ、今までになかったアクションである。こういった他社との提携は、何かと良い刺激になるような気がする。それが、ファルコムオリジナルのゲームにどのように影響するかはわからないが、決して悪いことではないはずだ。
今までの、ひたすらに過去の作品を焼き直す作業に比べたら、他社と提携してゲーム制作に携わる方が何倍もクリエイティヴな結果を残せると思うのだ。しかしまだ、この時点では「英雄伝説VI空の軌跡」が六月に発売延期ぐらいしか情報が無いので、判断材料に乏しい。だが、「英雄伝説VI」の後には様々なプロジェクトがユーザーを待っているようである。
とにかく、守りに徹した2002年度に比べたら、2003年度は実に実り有る年であったろうし、(抱き合わせやプロジェクトEGGなどが)またファルコムによる市場の実験でもあったようだ。その準備期間から2004年度は、どのような進展を見せてくれるのか。”過去の焼き直し”という手ごまが減り、オリジナル比率が高くなってきている現在、今後は本当の意味でのファルコムの実力が問われるのではなかろうか?
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