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水夏〜SUIKA〜
(テキストノベル型+ADV)
ダークな人間感情、死の匂い、四章仕立て、名無し・・・まさしく銀色だ・・・こりゃぁ。
(C) 2001 CIRCUS
日本のどこかにある、海と山に囲まれた常盤村。
いつまでも変わらないと名付けられた村では、やっぱりいつものように寂れた夏が訪れていた。扇風機とうちわ、セミの声とテレビの野球中継、線香花火と海開き、打ち水と夕暮れを告げる鐘の音。
恋が生まれ、恋が消えていく夏・・・。
だが、そんな、夏、人語を解する謎のぬいぐるみを抱く名無しの少女が村を訪れたことで、不可思議な物語の幕が開かれた・・・。
(オフィシャルより)
ゲームストーリーは、全四章から構成されている。主人公も違い、ヒロインも異なる。常盤村、時間軸は同じだがストーリー間でのつながりは無く、オムニバス形式であると見てよい。のだが・・・それぞれが独立しているようで、実はあるところで(=共通点で、というべきか)繋がっている。それがわかるのは、第四章になってから。
パッケージに騙された人が多いと聞きます。
パッケージやウェブ紹介、イラストだけに着眼すると、萌え属性のホノボノ恋愛ADV、って感じに受け取る事が出来ます。ですが、作品自体が暗い&多少、憂鬱になりそうなテーマが頻出するので明るい雰囲気は皆無。キャラ萌えで買った人、手を上げろ!!清涼感あるパッケージからは連想できません。プレイ前の予想を裏切られたユーザーが多かったと聞いています。
同社のゲーム「Infantaria」のそれを踏襲した、と書けば手間が省けますが、説明をしていきましょう。
○あらすじモード・・・各シーンを簡略文章であらわす。二週目プレイ時に便利。
○スクロールバー・・・一日に表示されるシナリオのうち、どの辺りに居るのかが分かる。
○セーブ時のミニアイコン・・・キャラクターが記録/読み出し時に一言喋ります。
○セーブについて・・・60個まで保存。保存時間及び劇中での時間、サムネイル画像が表示され、コメントも書き込める。
アドヴェンチャーゲームとしての機能は、ひととおり揃えていると思います。コンフィグでは更に、キャラクター毎の音声ON/OFF、マウスカーソル変更、音源変更などが行えます。主人公の名前も自由に変更できる。
1〜4章に登場するキャラクターを、簡単に紹介。
1章ヒロイン「水瀬
伊月」:常盤村の神社の巫女。アニメ・マンガが大好き。
2章ヒロイン「白河
さやか」:主人公の先輩。「さのばびっち、ばんごは〜ん♪」
3章ヒロイン「柾木
茜」:主人公の義理の妹。お兄ちゃんにベタベタすることが好き。
3章ヒロイン「京谷
透子」:おちついた大人の女性。主人公の恋人。
4章ヒロイン「名無しの少女」:神社の縁の下で主人公が出会う。幼女。
4章ヒロイン「千夏」:全章を通して登場する。作品のキーパーソン的存在。
4章サブキャラクター「ちとせ」:主人公の実妹。病気がちで体が弱い。音声無し。
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| ->>名無しの少女 |
人の(人のみならず、生き物全ての)生き死にをテーマとして描く作品であるので、みてくれが魅力的であろうが、巫女・先輩・妹・幼女・病弱・姉などの幅広い属性が揃おうとも、それらの魅力が活かされなかったと思う。それは、ある程度仕方が無いのだが。
ヒロイン達は個性的だが、男性キャラは手抜きとしか思えない。第一章主人公や、二・三章の先生の顔などは(見る人によっては)破滅的でもある。
*日本人なキャラクターたち
登場人物にスポットを当ててみよう。ふつう、こういった18禁ゲームでは、色とりどりの髪の色をした女性が多数登場するものなのだが、「水夏」では、全員が日本人として黒髪なのだ。・・・村人から外人とみなされている名無しのお嬢は別としてだが。日本のどこかにある風景、懐かしい村、それを描くに当たっては、登場人物がカラフルなキャラであってはいけないのだ。
第一章でヒロインがポツリと呟いた台詞以降、「生と死」が常に付きまとうようになった。
まるで哲学の授業受けているみたいだった。(ww
序盤〜中盤は、ややまったりモードですが、それ以降は急展開を見せます。一章から伏線がちりばめられてありますが、それらが解けていくのはADVならではの遊びといえましょう。中・後半は、ある程度の謎が解けたことで一気にシリアスモードにチェンジします。ただ、この作品においてマイナスポイントがあります。急な展開なのはともかく、プレイヤー視点の変化が著しく、今が過去なのか現在なのか、更に誰の視点なのか、が分かり難かった事です。ヒロインから見た視点、というのは興味深いのですが。
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| ->>境内にて |
->>楽しくお料理 |
1〜3章でも謎が残り、4章でもある程度残るようです。エンディングを(名無し、ちとせ)二つ見ることによって、物語は『閉幕』をむかえる。そこで、全ての謎がわかるようになっています。この、微妙な伏線のはり方は見事でした。
一見、それぞれが完全独立シナリオであり、同軸時間に他章キャラクタが居て、時には違う章のヒロインとの会話が発生したりする(上絵の”楽しくお料理”など)が、物語り自体では繋がりは無いように見える。なぜならば、それらが同じ村での住人のごく普通の会話だからだ。リアリティの上で、各章のキャラが一同に介してもおかしくは無いのだ。しかし、これらの章は、一人称視点での物語での繋がりは無くとも、常盤村・・・三人称の視点から見ると、作品テーマ、キーパーソンを軸として繋がっているのです。(ちょっと表現が悪いなぁ。)
物語のキーパーソン、テーマとは何ぞや。
「死と生」。それを現すのが1・2章。美しい女性も死ねば腐り骨となる、その絵巻を逆に戻せば、死から生へと戻る。人の死を描く画家。
「名無しの少女」。彼女は人の魂を運ぶ役割を果たす。人が死ぬ時、その人と親しい者は鈴の音を聞く。この作品は、死は常にどこにでもある「日常」であるとおもう。ちょっとしたきっかけ、姉妹の行き違い、仲が良いからこそのねたみ。
千夏が1〜3章の主人公たちにアドバイスを送っていたり、名無しの少女の名が無い理由や、彼女は人の死を運ぶ者”死神”であるためか、”生”に関してめっぽう疎い点などに注意して作品を見つめなおすと、また違った面が見えてきませんか?作中で登場する、ひまわりの花やスイカに込められた意味も奥深いものです。
ひとの幸せは、誰かの不幸があってこそ成り立っている、生死もしかり。というのがこの作品のテーマだと個人的に解釈しましたが、プレイされた方はどう思われたでしょうか?
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Circus

発売:2001.07.27
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